年上幼なじみのあぶない溺愛


 春哉くんは私の腕を掴み、少し強引に引っ張ってきた。

 どうしよう、このままだと火神くんとなにも話せないまま終わってしまう。


「ひ、火神くん……!送ってくれてありがとう!あの、また学校でね……!」


 完全に距離が空いてしまう前にお礼を言う。

 火神くんは春哉くんを見て目を見開き、おどろいていた様子だったけれど、そのことに関しては今後話そうと思った。


 火神くんなら、言いふらさずに隠してくれそうだと思った。


「あ、あの、春哉くん……!」

 完全に火神くんの姿が見えなくなり、春哉くんと夜道を歩く……というより、強引に引っ張られて自然と足が動く状態になっていた。

 それも、いつもよりずっと歩くスピードが速い。


 思わず春哉くんの名前を呼べば、ようやく立ち止まってくれた。

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