年上幼なじみのあぶない溺愛



 そんな春哉くんと火神くんはまるで正反対である。
 けれど外見は春哉くんに負けず劣らず、整った顔をしていて……。


「なんだよ、俺が間違ったことでも言ったか?」


 うん、やっぱり怖い。
 眉間にシワが寄っていて、ずっも不機嫌そうな顔をしているし。

 なにが火神くんをそれほど不機嫌にさせているのだろう。もしかして原因は……私?


 そう思うと申し訳なくなり、これ以上言い返すのはやめようと思った。

 口を閉じて大人しくしていると、勘違いをした火神くんに「また拗ねるのかよ」と言われてしまう。


「違うよ……!私のせいで機嫌を損ねたと思ったから……」

「へぇ……お前のせいで、な?あながち間違いじゃねぇけど」

「……っ、やだ」
「は?」

「お前って呼ばれるのは、なんかいやだ……」


 
 名前ですら呼んでくれないなんて、なんだか寂しい。クラスメイトなのに距離が遠く感じてしまう。

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