年上幼なじみのあぶない溺愛



 それからしばらくして、次の授業の先生がやってきたため、望美ちゃんと火神くんはそれぞれ自分の席へと戻っていく。


「にしても火神、あんたいい奴だね。普通は奪えるチャンスだとか思わないの?」

「……別にいいだろ。ただ、あいつに暗い顔は似合わねぇって思っただけ」

「つまり好きな子の幸せを願って背中を押すタイプってことか。志羽、こんないい男に気づかないとかもったいないね」

「うっせぇ、バカにしてんだろ」

「してないよ?事実じゃん。まあ志羽はそれほど幼なじみが好きなのね」

「……だろうな」

「そう言えば志羽の幼なじみ、どうだった!?やっぱりかっこいい!?」

「……さあな」


 席に戻る最中の火神くんと望美ちゃんがなにやら会話を弾ませているように見えたけれど、私の席からはなんの話をしているのかはわからなかった。

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