年上幼なじみのあぶない溺愛





 放課後、私はすぐに教室を出て、駅へと向かった。

 電車に乗り、駅の最寄駅についたところで、春哉くんがホームにいないか確認する。


 けれど春哉くんの姿は確認できず、同じ電車ではなかったのだとわかった。

 そうと決まれば、あとは改札を出てすぐのところで春哉くんを待つのみだ。


 最初のひとことはどうしよう、なんて声をかけるべきだろうか。

 春哉くんを待っている間、何度も何度も頭の中でセリフを考える。


 電車が来るたびに心臓がバクバクして、春哉くんが来るかと緊張していたけれど……。


「春哉くん、遅いな……」

 気づけば1時間以上経過していたけれど、改札から出てくる人の中で春哉くんの姿は未だに見られない。

 もしかして、友達と遊びに行っているのだろうか。

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