年上幼なじみのあぶない溺愛



「はぁ……宮下」
「……っ、はい!」


 素直に不満を口にしてしまい、それこそ面倒だと思って嫌われてしまったらどうしようかと不安になっていたけれど、火神くんは私の名前を呼んでくれた。

 火神くんは怖いだけの人ではないのだと、それが証明してくれた。


「ったく、こんなこと言ってくるやつに初めて会った」
「うっ……だって、せっかく友達になったから」

「俺とおま……宮下がいつ友達になったんだ?」
「えっ、さっきだよ。互いに名乗って、話してる仲だもん」

「……信じらんねぇ。変なやつだな」


 変わったような目で見られてしまったけれど、事実じゃないだろうか。

 私は火神くんと友達になった気でいる。
 男友達なんて初めてだったけれど、早速友達作りに成功したようで嬉しかった。


 それからしばらくの間、電車に揺られていると、次の駅が学校の最寄駅だというところまでやってきていた。

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