年上幼なじみのあぶない溺愛

「ごめんなさい春哉くん、本当にごめんなさい……私、春哉くんじゃないと嫌だよ、春哉くんと離れるのは苦しいよ……だから離れていかないで」


　ギュッと私からも抱きついて、堪えきれずに涙があふれる中、とにかく春哉くんに自分の気持ちを訴える。

　離れたくない、ぜったいに春哉くんがいい。


「顔をあげて、志羽」


　優しい声が私の名前を呼ぶ。

　ゆっくりと春哉くんの顔を見上げると、柔らかな笑みを浮かべて私を見ていたため、また涙があふれてしまう。


「どうして泣くの？目、腫れるから泣かないで」
「ごめん、なさい……」

「志羽の気持ちは伝わったから大丈夫、もう謝らないで。俺もあのときは熱くなってて、志羽にひどい態度をとってごめんね」

「……っ、春哉くんは悪くなくて……！」

「無理矢理キスして、勝手にさよならして志羽をたくさん泣かせたんだよ」

「春哉くんは悪くないよ……！ぜんぶ、私が……」

「じゃあこれで仲直りってことにしよう？もう志羽が泣いて謝る姿は見たくないよ」

「……許してくれるの？」


　また、いつものように接してくれる？
　幼なじみの関係に戻れる？

　不安になり、つい許してくれるのか聞いてしまったけれど、春哉くんは小さく微笑んで「もちろんだよ」と言ってくれた。