年上幼なじみのあぶない溺愛



 涙はまだ止まってくれないけれど、春哉くんがいつものように笑いかけてくれ、嬉しくなってつい顔が綻んでしまう。


「……可愛い。目、冷やさなくて大丈夫?」
「大丈夫……!」

 いまはとにかく春哉くんから離れたくなくて、ギュッと春哉くんに抱きついた。


「志羽から抱きついてくるのって珍しいね」
「春哉くんと離れたくない……」

「もー、あまり可愛いことをしたらダメだよ。俺、たぶん我慢できない」

「我慢……しているの?」
「うん、しているよ」


 こんな風に抱きつかれるのは、春哉くんにとって嫌だったようで、慌てて離れようとしたけれど。


「隙だらけの志羽に手を出したくなる」
「……っ!?」

 私の耳元で甘く囁くように、春哉くんが言葉を発し、私は胸が高鳴ると同時に固まってしまう。

 手を出したくなる……って、キス……とか、もだろうか。


 そう考えると恥ずかしくなり、顔が熱くなる。
 けれど嫌じゃないし、むしろ春哉くんならいいと思う自分もいた。

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