年上幼なじみのあぶない溺愛
ただ……春哉くんが私に手を出したいと思うのはどうして?
私が手を出されてもいいと思うのは、春哉くんが好きだからだ。
けれど春哉くんは?
単なる不満解消として……?
「……春哉くん」
いま、この流れを逃してしまったらもう二度と聞けない気がして。
気づけば春哉くんの名前を呼んでいた。
「どうしたの、志羽」
「あの……私に、手を出したくなるの……ですか」
聞きたいことを口にしてから、尋常じゃないほどの恥ずかしさに襲われ、ぶわっと顔が熱くなる。
言ってしまった……聞いてしまった!
もう後戻りはできない。返答次第では、きっと私は立ち直れない状態になる気がする。
「……なんて答えるのが正解?」
「……っ」
けれど春哉くんは答えてくれず、私の答えてほしい正解はなにかと聞かれてしまう。
途端に私が心のどこかで期待していた返答の可能性が潰えてしまい、今度は胸が苦しくなった。
濁されたってことは……たぶん、私にとって嬉しくない回答なのだろう。