年上幼なじみのあぶない溺愛
春哉くんを独り占めできる、彼女になりたいって。
春哉くんにとって私はただの幼なじみで、妹のように可愛がってくれているのはわかっているけれど。
最初はそれで満足していたけれど、やっぱりいまのまの関係で終わりたくない。
「俺も好きだよ」
「……っ」
違うの、春哉くんと“好き”の意味合いが違う。
幼なじみとして、だけじゃ物足りない。
「春哉くんに、私のこと……女として見てほしい。幼なじみとしての好きじゃ足りないよ」
まるで駄々をこねている子供のように思えたけれど、止まらなかった。
もう自分の意思で止めることはできず、言いたいことをぜんぶ口にしていた。
「志羽は勘違いしているよ」
「へっ……」
「ただの幼なじみ相手に手を出すほど、俺って軽い男に見える?」
勘違い……?
なんのことだろうと思いつつ、春哉くんの質問に首を横に振る。
春哉くんは天然タラシと言われているけれど、女遊びが激しいだとか、女の人にすぐ手を出すような人ではないと幼なじみとして言い切れる。
「じゃあ俺はどうして志羽に手を出してるのか、わかってくれるよね」
「……え」
春哉くんの手が私の頬に添えられる。
優しい瞳に捉えられる中、私はなにも言えず返答に困ってしまう。