年上幼なじみのあぶない溺愛
「安心して大丈夫だよ。むしろ志羽は自分の心配をして」
「……うん」
「今日、学校終わったらすぐに来るからね。鍵も預かっているから、俺に夜まで看病させて」
「いいの……?」
「本当は今日、学校を休んでずっと志羽のそばにいてあげたいんだけどな」
「そ、それはダメだよ……!」
学校を休むなんて、私がぜったいに許さない。
そこまで春哉くんに迷惑はかけられないと思い、全力で首を横に振る。
「……うん、志羽ならそう言うと思ったよ」
「私のためにとか、思わなくて大丈夫だからね……!おとなしく家で寝ているから」
「……安静にしているんだよ」
「うん!」
「……いい子」
春哉くんは私の頭を撫でたかと思うと、額にキスを落としてきた。
不意打ちのキスにぶわっと顔が熱くなる中、春哉くんは小さく笑った立ち上がった。
「じゃあ俺はそろそろ行くね」
「う、うん……!気をつけてね!」
「志羽こそ悪化しないように気をつけるんだよ」
「うん……!気をつけるね」
春哉くんは最後にもう一度、私の頭にポンッと手を置いてから部屋を後にした。
途端に部屋が静かになって寂しい……と思うどころか、耐えきれず頬が緩んでしまう。
だって、春哉くんが優しくて、甘くて。
熱を出した私をこれほどまでに心配してくれたのだ。
嬉しいに決まっている。
今日も学校が終われば、春哉くんが来てくれるのだ。
それを楽しみに、熱に耐えようと思った。
明日からまた春哉くんと一緒に学校へ行けるように、今日中にぜったい治すんだと心に決めて。