年上幼なじみのあぶない溺愛






 どのくらい時間が経っただろうか。

 何度も寝て起きて……を繰り返し、そのたびに熱が上がって悪化しているような気がしていた。


 起き上がるのも辛く、お母さんや春哉くんにちゃんとお昼を食べるように言われていたけれど、無理そうだった。


 最初は春哉くんが来てくれるまで頑張れると思っていたけれど、ひとりぼっちの部屋は寂しく、早く会いたくて仕方がなくなる。


「春哉くん、会いたいよ……」

 その声はもちろん本人に届くわけがなくて、なぜだか泣きそうになってしまう。

 ダメだ、ここは耐えなきゃいけない。


 元々熱を出したのは自分のせいだし、自業自得なのである。

 けれど、ひとりはこんなにも寂しいんだ。


 学校に行けば望美ちゃんや火神くん、ほかにも仲良くしているクラスメイトのみんなと会って話して、楽しい時間を過ごしていることだろう。


 そういえば、望美ちゃんや火神くんに春哉くんとどうなったか話していないな。


 明日、学校に行って早く伝えたい。
 仲直りできたって。それから春哉くんは私のことを……。


「……ん」

 考えごとをしたまま、どうやら私はふたたび眠っていたようで。

 遠くのほうから聞こえてくるインターフォンの音で目が覚めた。

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