年上幼なじみのあぶない溺愛
やっぱり私は春哉くんにとって、ただの幼なじみでしかない……?
そんなの、ぜったいに……。
「……やだ」
「えっ?」
「いつまでも幼なじみじゃ嫌だよ……昨日、私のことを女として見ているって言ってくれたの、うそだったの……?」
春哉くんに面倒だと思われるかもしれないけれど、止まらなかった。
「うそじゃないよ。昨日の話、忘れたの?ただの幼なじみに手なんて出そうと思わないよ」
「でも、私たち……幼なじみのままだよ」
恋人らしいこと、しているのに。
望美ちゃんに指摘されるまでは、いまの関係のままで満足していたけれど。
それだと今までとなにも変わっていないことに気づかされた。
「俺は幼なじみのままで終わりたくないな」
「えっ……」
幼なじみのままで、終わりたくない……?
一度その言葉の意味を考えたとき、もしかして……と期待してしまう自分がいた。
けれど、先走ってはいけないと思い、心を落ち着かせる。
「私も、幼なじみのままは嫌だよ」
「うん」
「だから……あの、ね」
「志羽、ゆっくりで大丈夫だよ」
緊張か、熱のせいか、それとも春哉くんにじっと見つめられているからか。
わからなかったけれど、頭がボーッとして、胸がドキドキした。
けれど春哉くんは私を焦らせないように優しい言葉をかけてくれ、言葉を詰まらせながらも思っていることを口にすることができた。