年上幼なじみのあぶない溺愛






 放課後、図書室にて。
 私たちは勉強することになっているのだけれど……。


「……」
「……」

 誰も口を開かないという、気まずい状況が完成していた。

 予想と違う展開についていけず、頭が真っ白になる。


 私たち1年……正確には、前回に学校でテスト勉強をしたメンバーである、私、望美ちゃん、火神くん、江藤くんの4人が図書室に向かうと、すでに春哉くんたちは座って待っていた。

 春哉くんたちは私たちを見るなり笑顔を浮かべてくれるのかと思いきや……なぜか固まってしまったのだ。


 数秒間の沈黙が流れたあと、春哉くんは明らかな作り笑いを浮かべて『とりあえず座ろうか』と言い、私たち4人は席へと移動した。

 席は窓際から順に沙良先輩、春哉くん、私、火神くんが座っており、向かい合う形で窓際から藍原先輩、霧谷先輩、望美ちゃん、江藤くんの順に座っていた。


 望美ちゃんは霧谷先輩のとなりに座れて満足しているのと、私と春哉くんがとなり同士で座っているのを見て、嬉しそうに目をキラキラと輝かせていた。

 けれど、座ってからもまだ良くない空気が流れており、いまに至る。

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