年上幼なじみのあぶない溺愛
これは頑張らないといけないと思い、教科書とノートを開いたとき、ふと今日の授業でわからない場所があったのを思い出した。
どうしよう……早速春哉くんに聞くのは申し訳ない気がする。
けれど早いうちに解決しておかないと、余計にわからなくなって……。
「これ、今日の授業のやつか?」
「……っ、火神くん……!」
どうするべきかと頭を悩ませていると、左に座っている火神くんが私の開いている教科書とノートを見ながら尋ねてきた。
「あの、ここがね……よくわかっていなくて」
「あー、なんとなく宮下はそこ理解できてなさそうだなって思ってた」
「うっ……」
どうやら火神くんは私が理解できていなかったと見抜いていたようで。
春哉くんに聞かずに済んだため助かったけれど、悲しいような……だって、バカだと思われているってことだよね。
「その通りです……だから、教えてください……」
「……ふっ」
「わ、笑わないで……!」
恥ずかしい。春哉くんや、ほかのみんながいる前でバカであることを晒しているようなものだ。
そのうえ、火神くんは笑ってくるなんて……ひどい。
理解できていないバカな私が一番悪いのだけれど。