年上幼なじみのあぶない溺愛
自業自得だと思い、おとなしく火神くんに教えてもらった。
火神くんの教え方はやっぱりわかりやすく、授業でわからなかった部分もかんたんに理解することができた。
そのあとはスラスラ練習問題を解くことができた……と言いたかったけれど、いくつかわからない部分もあり。
そのたびに火神くんにお世話になり、本当に申し訳ない。
けれど火神くんはていねいにわかりやすく教えてくれるから、ついつい頼ってしまう。
何度か火神くんに助けてもらいながら、順調にテスト勉強が進んでいた。
「……あれ」
合っていると思っていたはずの問題が間違っており、ペンが止まる。
けれど、どこか間違っているのかがわからなかった。
もう何度も火神くんに聞いてしまっているし、さすがにこれ以上聞くのは……と思いつつ、チラッと火神くんを見る。
そんな私の視線に気づいた火神くんと目が合い、このままの勢いで聞こうとおもったときだった。
「志羽、どこがわからないの?」
右側に座る春哉くんが、勉強がスタートして初めて私に声をかけてきた。
「……え、あ……その、わからないところなんてないです……!」
とっさにうそをついてしまったのは、春哉くんの勉強の妨げになってしまうと思ったからだ。