年上幼なじみのあぶない溺愛
声に出して笑っているところも見たことがない……かもしれない。
今になって私は本当に春哉くんの幼なじみなのだろうかと不安になった。
「……志羽?」
意地でも春哉くんの感情を読み取ろうと思い、じっと彼を見つめるけれどダメだった。
なにを考えているのかまったくわからない。
長年一緒にいておきながら、春哉くんの感情を読み取って理解できないなんて、幼なじみ失格である。
「志羽ー?」
「わっ……!?」
春哉くんの言葉に反応することなくじっと見つめていたからだろうか。
突然春哉くんの指が私の頬をツンツンと軽く突かれてしまう。
急に触れられたことに驚いた私はビクッと肩が跳ね、思わず一歩後退りしてしまった。