年上幼なじみのあぶない溺愛



「俺は……家、がいいかな」
「じゃあ家にしよう……!私も家がいいと思ってたの!」


 春哉くんが希望を言ってくれたことで、すかさず自分もそれに乗る。

 家ということは、ふたりでなにか作るのだろうか。


「本当?じゃあ決まりだね」
「うん!」

「今日はなにを作ろうか?家に着く前にスーパーにでも行こう」

「なにがいいかなぁ。グラタン、パスタ、ハンバーグ……」

「ふっ、じゃあ志羽の食べたいものを作ろう」


 食べたいものを挙げていると、春哉くんが私の意思を優先してくれるような発言をした。


「そ、そんな……春哉くんが食べたいものを」
「志羽が食べたいものが俺の食べたいものだよ」


 私ひとりが食べたいものを決めるなんて申し訳ないと思い、慌てて春哉くんの食べたいものを聞こうとしたけれど、彼は私の言葉を制してきた。

 私の食べたいものが春哉くんの食べたいもの……気を遣ってくれているのはわかっているけれど、なんだか嬉しい気持ちになった。

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