年上幼なじみのあぶない溺愛



「ううん、志羽は悪くないよ。俺が勝手に心配してただけだから」


 春哉くんは私に笑いかけてくれ、『遅い』のひとこともなく、私を家の中に招き入れてくれた。

 さっそくキッチンへと向かい、一緒に料理をする準備を始める。


「切るのは俺がするからね」
「やだ!今日は私がする!」


 私だってなにもできない子供じゃないし、料理もそこそこできるはずだ。

 けれど春哉くんは怪我したらあぶないからって、包丁は持たせてくれない。


 春哉くんの前でちゃんと料理ができることをアピールし、家庭的な女の人だと少しでも意識して……ほしいけれど。

 その機会すら春哉くんは与えてくれない。

< 48 / 380 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop