年上幼なじみのあぶない溺愛



 悲しいことに、春哉くんは料理すらできてしまう非のない完璧な人で……少しぐらい苦手なこととかあってもいいのに。

 賢くて、スポーツ万能で、かっこいいし誰に対しても優しいし。


 そのうえ家事も完璧にこなしてしまう。そんな春哉くんがモテて当然だし、私が見合わないのも当然である。


「志羽、お湯が沸騰してる」
「へ、あっ……本当だ!」


 つい考えごとをしてしまい、沸かしていたお湯が沸騰していたことに気づかなかった。

 料理ができるアピールをするどころか、失敗するところを見られてしまうなんて。


「ほら、ボーッとしていたらあぶないよ?」
「……っ、ごめんなさい」

 恥ずかしい。
 恥ずかしくなって、頬が熱くなるのがわかる。


「気をつけようね。火傷するかもしれないから」
「はい……」


 またここで怪我の心配をされるけれど、私が悪いのだから仕方がない。

 春哉くんに子供扱いされて当然だと思ってしまうほどだ。

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