年上幼なじみのあぶない溺愛



「ダンナ様って言ったらひとりしかいないでしょ。ね、火神!」

「……さっきからうっせぇな。寝かせろ」


 パッと望美ちゃんが通路をあけ、となりに座る火神くんに声をかけ始めた。

 火神くんは寝ようとしていたところだったのか、不機嫌オーラ全開で望美ちゃんをにらんでいる。


「そんなこと言っても無駄だからね?他の女子には冷たいくせに、志羽にだけ特別対応だし」

「私だけ……?ありえないよ、そんなの!」


 特別対応だなんて。
 からかわれたり、厳しいことを言われるときはあるけれど、特別な対応をされた覚えなどない。

 火神くんもそう思っているのだろう、さらに眉間のシワが深く刻まれていた。

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