年上幼なじみのあぶない溺愛



「めんどくせぇ……」


 けれど火神くんが大きなため息を吐き、寝る態勢に入ったことでふたりの言い合いはおさまった。


「本当に火神って顔はいいけど性格は最悪だよね」
「そ、そうかな……」


 私は一度、火神くんに助けられたことがあるため、あまり悪い人だとは思えない。


「逆に志羽は純粋すぎだよ?高校生になって、まだこんな純粋な子がいたなんて……!」

「……え」


 望美ちゃんの言葉を聞いて、途端に不安になる私。

 まるで高校生だというのに、まだまだ子供っぽいという意味に聞こえたのだ。


 だって純粋って言葉は子供に対してよく使われているような……やっぱり私は誰から見ても高校生には思えないほど子供なのだろうか。

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