年上幼なじみのあぶない溺愛
「そろそろ目的地に到着するから準備しとくように」
そのあとも望美ちゃんにいろいろと聞かれ、質問に答えたりしていたけれど、目的地に近づいた頃にはもう別の話になっていた。
というより、何度か望美ちゃんの質問に春哉くんと特定されそうなことを答えそうになったため、私が自然に話を変えた……つもりだ。
「おーい、起きろよ純希」
「純希、ガチ寝じゃん」
そろそろ目的地に着くという先生の言葉を聞いて、荷物をまとめていると、ふと火神くんの席が騒がしくなった。
私だけではなく、望美ちゃんも気になったようで、同じタイミングで火神くんの席に視線を向ける。
火神くんは最後に見たときと同じ体勢のまま深い眠りについているようで、友達が起こしているけれど、まったく目を開けようとしない。