吐いて。食べて。吐いて。
ピンポーン。
家のインターフォンが鳴る。
そして、
扉のポスト穴がガタガタと鳴る。
私の家は安い物件だったので
二重ロックとかではなく
セキュリティが甘かった。
「いないのー?」
彼の声が扉越しに聞こえる。
私の部屋は
カーテンで閉め切っていたため真っ暗で居留守を使った。
部屋が暗いからいないのかなという声。
しばらくすると遠ざかっていく足音が聞こえた。
怖くて
布団に丸まって、ひたすら怯えながら
夜を過ごした。