Honey×Secret
「で、ですよね〜」
咲彩ちゃんに断られてショック
だったのか、もの凄く落ち込んでいて
私は御子柴くんが机の上に置いた
チケットをもう1度視界に映した。
「え、カテョーナク王国?」
よくよく見てみると…子供から
お年寄りまで人気のテーマパーク
"カテョーナク王国"のチケットだった…
「あ、甘蜜さん…
カテョーナク王国好きなの?」
「結ちゃんは"ミルキー姫"が好きなの」
そう私は小さい頃からカテョーナク王国の
マスコットキャラクター"ミルキー姫"が
好きで今もミルキー姫のグッズを
見つけてはつい買ってしまう程だ。
「結ちゃん、御子柴くんと行ってくれば?」
「え、私が?」
咲彩ちゃんが言った言葉に聞き返すと
"うん"という合図で咲彩ちゃんは頷いた。
「え、いや…」
どうみても御子柴くんは
咲彩ちゃんと行きたいのに…
そう思いながら御子柴くんの顔を
見てみると笑ってはいるが明らかに
私と行くのが嫌な顔をしていた。
「ねぇ、朝陽」
御子柴くんの名前が呼ぶ声が聞こえ
呼んだ声の先を辿って視界へ移すと…
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「…何だよ、吏人(りひと)」
御子柴くんの友人…
雪城 吏人(ゆきしろ りひと)くんが立っていた。