Honey×Secret
*


*


「…洋服どうしよ」


あれから学校が終わり帰宅した私は部屋へ
入り収納されているクローゼットを開けて
行く日の洋服を決めていた。


「これ…背伸びしすぎかな…?」


1着の白の花柄のロングワンピースを
手に取り鏡を見ながら合わせていると…


「結、昨日借りた本ありが…」


「お、お姉ちゃん…!」


いきなりドアが開き姉の紬(つむぎ)が
手に昨日貸した本を持って入ってきた。


「何してるの?」


「えっと…明日友達と遊びに…
着る洋服を選んでたの…」


お姉ちゃんにそう言うとジッーと
目を細めながら全身を見ていた。


*


*


*


*


*


「…いいんじゃない?」


「え、本当に?」


まさかの返答に目が点になるが…本当は
似合ってなくて、お姉ちゃんなりの優しい
答え方なのかな?と考えていると…


「…」


「…え?」


お姉ちゃんが何も言わずに部屋から
出て行き、どうしたんだろう?と
不思議に思っていると何かを持って
お姉ちゃんが戻ってきた。


「結、今着てるワンピースに
合うんじゃないかしら?」


そう言いお姉ちゃんが私に渡してきたのは…
ショート丈のトレンチジャケットだった。


「これ明日貸してあげる。
この本のお礼はそれでいい?」


「い、いいけど…いいの?
これ私に合うかな…?」


「何言ってるのよ…とても似合っているわ」


普段あまり笑わない姉が
少し微笑みながら言っていた。
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