魔界の華は夜に咲く
ドク

ドク

ドクドクドクドク・・・


逞しい体に包まれ、耳元で低い声が囁く。


「俺の心臓とお前の心臓、同じ速さで動いてるだろ」


「そ、それが?」


「共鳴してるって事だ」


冗談交じりに言いながら、ゆっくりと頬と頬がぶつかった。


「ちょ、離れてくださいッ」


「やだね」


急に子供じみた言葉を放ち、ゆっくりと唇に触れる。


「ん!?・・んーっ・・やっ・・め」


何度もついばまれ、逃げようとするセンジュの唇はすぐに追いつかれて塞がれる。


「はぁ。気持ちいいな。お前の唇・・ずっとしてたい」


「ちょ・・アル・・っ・・っぁ・・」


「もっと欲しい・・」


_完全にスイッチ入っちゃってるよおおっ



ジタバタともがいても決してその腕は解かれる事はなく、逃げようとした指は太い指に絡めとられた。

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