魔界の華は夜に咲く
「どうやら、裏で動いている者がお前を狙ったらしいな」


「ど、どうして・・」


「恐らく、妻に取り入って情報を聞き出そうとしたのだろう。タイミング良く我々が帰ってきたので都合か良かったに違いない」


「そんな・・」


アルヴァンは屋敷を確認した。

そちらは燃えてない様だった。

センジュの手を取り屋敷へ走った。


すると屋敷から黒服を来た男達数人とアルヴァンの妻が出てきた。

まるで妻は人質状態だった。


「アルヴァン!!」


「セレーン!」


妻・セレーンの首にはナイフが突きつけられている。

男は言った。


「その女が魔王の娘か。ケケ、よこせ」


ドクン


「早くしないと奥さんが死ぬぜー」


ドクン


「アルヴァンさん・・」


センジュがアルヴァンを見つめると、アルヴァンは一度うつ向いたがすぐに前を見据えた。



「愚か者共。この方は魔王の娘だ。誰よりも尊い存在だと何故わからぬ」


「アルヴァン・・さん?」


「その事を、俺の妻が知らぬとでも?」


そうアルヴァンが口にした瞬間、妻はニヤリと笑った。


「はああ!」


妻は近くにいた男を蹴散らした。

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