天魔の華は夜に咲く
「そう思いつめた顔をしないでください。あなたは我々が護ります」


「ありがとうございます。でも・・私も変わらなきゃ。魔界の事もっとよく知らなきゃいけないんです」


「そう思ってくださっただけでも素晴らしい事です。ですが、魔界には危険な場所も沢山あります。1人での行動は避けてくださいね」


「はい、それは大丈夫です。生まれつき臆病なんで」


「フフ、正直でよろしい。魔界の事は一つずつ、知っていけばいい」


きゅっ

とエレヴォスはセンジュの手を握った。


「私の事も、もっと知ってくださいね」


静かにエレヴォスはセンジュの額にキスを落とした。

穏やかに時が流れた。


_なんで嫌じゃないんだろう・・。恥ずかしいハズなのに。なんか、優しさが伝わってくる。


エレヴォスは決して強引ではない。

川に流れる水の様に緩やかだった。


「他の3人にもそれぞれ魅力はあるでしょう。ですが、センジュの中で一番安心できる人を選んでください」


「安心・・」


「ゆっくりでいいですから」



_確かにもっとよく知らなきゃいけない。否定ばっかりしてたら、私はきっと何も変わらないんだ。



「はい・・ありがとうございます」


素直に頷くと、エレヴォスは優しい顔を向けて頷いた。


「さて、お部屋へ送りますよ」


「あ、はい」


立ち上がるとエレヴォスは手を差し伸べた。


「こちらです」


来た方向とは反対側を歩き出した。


「城の中も少しは知っていた方がいい。ぐるりと回っていきましょう。案内します」


「ありがとうございます」


_エレヴォスさんは4人の中でも凄く大人な気がするかも。気を配ってくれる。


紳士的に見えた。


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