魔界の華は夜に咲く
会議が済んだ後、セヴィオとセンジュは城下街へと向かっていた。

馬車の中だ。

「ねえ、セヴィオ・・会議どうだった?」

「あ?珍しいな、あんた興味あるんだ?」

「うん、昨日私が攫われちゃったから・・パパ怒ってなかった?」

「いや、今日は普通だった。むしろ」

「ん?」


_早く孫の顔が見たいだと・・なんて言えるか。


「なんでもない。天使の事は心配するな。あんたは俺達が護るから」

「・・ありがとう」


今日のセンジュは一段と元気が無かった。

ずっと眠れずに戦争の事を考えてしまったのだった。


「なに考えてるのか、大体予想はつくけど。そんな顔するなよ。今日はスラムの子供たちに会うんだ。王女らしくしてろよ」

「そう、だよね・・うん、ごめん」


_駄目駄目、切り替えないと。しっかりしないと周りを不安にさせちゃう。



頬をぺちぺちと叩いているとそれをセヴィオに遮られた。


「あんまり叩くと腫れちまうぞ」

「平気・・」

ちゅっ。
と頬にキスをされた。


「ちょ・・」

「あ、もともと腫れてたわ」

「な、なんだとぅ!?」


センジュはセヴィオの優しさに感謝した。

いつも心を明るくしてくれたり、自分らしくいさせてくれるのはセヴィオだ。

センジュが笑ったのを確認し、セヴィオはワザとらしく言った。

「あ」

「なに?」

「もっかいする」

とセヴィオはもう一度頬にキスを落とした。

ドキドキ


_今日はやたらに積極的・・どうしたのかな。セヴィオ・・。


急に大人びるセヴィオにドキドキしっぱなしだった。
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