魔界の華は夜に咲く
晩餐会の準備は滞りなく行われていた。もう間もなく会は開かれる。

魔界に君臨する魔王(パパ)を始め、席には魔界屈指のそうそうたるメンバーが着席している。


「いやぁ、娘の晴れ姿楽しみだなあ」


と始まる前から魔王はほくほくと笑顔を零している。


「本当に、さぞお綺麗なのでしょうね。楽しみです」


と近くでにこやかに相槌をうつエレヴォス。

他のメンバーも小さく頷いた。


「お待たせいたしました。センジュ様のご到着です」



ザワ・・


と会場がどよめいた。


侍女に連れられてセンジュがゆっくりと広間に姿を現した。


「ほお・・」


と声を漏らしたのはアルヴァンだった。

当の本人は緊張で俯きながら歩いているが。

その場にいる魔界の者達はこぞってセンジュの姿に歓喜した。

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