魔界の華は夜に咲く
連れ攫われたセンジュは男の屋敷に監禁された。

と、同時に広い湯船に服のまま落とされた。


バシャンッ!


「ぷあっ・・何するの!?」

「なんか、お前魔族臭い。落とせ」

「へ・・?」


_人から初めて言われたんだけどそんな事・・。って皆魔族だからか。ていう事は今まで天使臭かったの!?



「あの!フォルノスじゃなかったら・・あなた誰!?」

「ラファエルだ」

「ラファエル!?」

「天使のくせに俺の事も知らんのか。今どきの下級天使は」


_うわ・・本当に見た目も性格もフォルノスなのに!!


ラファエルと名乗る男はジッとセンジュを見つめた。


「お前、ウリエルに追われていたな。何をやらかした」

「う・・」


_やらかしたっていうか・・もはや敵なんだけど。



ドキン


フォルノスではないと理解しつつも、顔を近づけられ胸が高鳴った。

全く同じ顔なのだ。強いて言えば目の色が若干違うくらいだ。良く見ないとわからない程度だ。


「ち、近寄らないで!」


_嘘でしょ!?なんでフォルノスと同じ顔してるの!?本当に嫌だ!


「何故顔が赤いんだ?そんなに温度は高くないハズだが」

「そ、そういう事じゃなくて!」


平然とした態度がまたそっくりすぎる。


_うう、どうしよう・・ていうか、フォルノスは実は天使だったとかいうオチないよね?だから拒否されたとかないよね?


色々勘ぐってしまう。


「まあいい。匂いを落としたら来い。服も適当に用意しておく」


そう言って行ってしまった。


_展開について行けないよおぉ・・。皆、助けて。

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