魔界の華は夜に咲く
「我が君からの決まりをお伝えしに来ました」


「は、はい」


_なんだろう・・?パパからの??


「何をだよ?」


セヴィオも知らない様子だ。


「つい先ほど決定した事です。最近、裏・四大魔将と呼ばれている得体の知れない輩が動いているそうですね。セヴィオも聞いているとは思いますが」


「ああ、そいつらか。ダッセーよな。わざわざ『裏』とか付けて。ただの反逆者どものくせに」


「城の護りは今の所万全ですが、もし内通者が城に出たとしたら姫君は真っ先に狙われる可能性があります」


「確かに、利用される可能性があるかもな」


「え?」


_な、なにそれ!?裏四大魔将!?私が狙われる!?なんで???



センジュのこわばった顔をほぐすようにエレヴォスは頬を手のひらで摩った。


「センジュ、そんな哀れな顔しないでください。その対策として我ら四大魔将が代わる代わる姫君をお護りする事がつい先刻決まりました」


「あ?なるほどね」


「魔王は姫君のパートナーは公平に決めてもらいたいみたいですし、警備がてら親睦を深めて欲しいそうです」


「ふーん。まぁ、俺が考えてた事と同じってことか」


セヴィオの額に怒りの筋が見えた。
4人で交代制の警護に不満があるらしい。
その様子にエレヴォスは余裕の笑みを浮かべている。


「つまり、どれだけあなたが先に姫を口説こうとも、我々にもチャンスがあるという事です」


「はいはい、解ったよ。だけど、こいつがあんたを選ぶとは思えねえけど」


「それはどうでしょうか?今後に期待してください」


ニコニコと嘘っぽい笑みを浮かべているエレヴォスが気に入らないのかセヴィオの血は沸騰寸前の様だった。
センジュの手前、今にも殴りかかりそうな拳をぐっと堪えている。
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