魔界の華は夜に咲く
「それとセヴィオ。こんなところで油を売っている場合ではないですよ。ここだけの話ですが」


「あ？なんだよ」


エレヴォスは懐から手紙を取り出した。


「たった今知らせが来たのですが、あなたの領土が最北端で下級どもの紛争が先刻から起きている様です」


「は！？なんで早く言わねえんだよ！」


セヴィオはその手紙をもぎ取って読んだ。


「四大魔将の名が廃りますよ。特に、一番若いあなたの領土が狙われやすい。舐められているという事です」


「ちっ！！ふざけんな！！ゴミ共が！！」


セヴィオは手紙を握りつぶすと部屋のバルコニーから飛び降りていった。


「あ・・」


必死な横顔がセンジュの眼に映った。初めて見たセヴィオの焦った顔が目に焼き付いた。


「あの？どういうことですか？」


「セヴィオは天才と謳われ、空きのあった四大魔将の座に若輩ながら着任しました。敵からすれば穴も同然なのでしょうね」


「え？」


「私も彼の力は認めますが、まだまだ他の者にとっては隙があるように見えるのです」


「あの、皆さんは応援にいけないんですか？」


「あの方に任されている領土は本人が守るしか手立てはありません。そう決められています。それが出来ないのであれば四大魔将を名乗る資格はありませんので」


「そんなに厳しいんですか？」


「今が正念場でしょうね。あなた様のお父上は失敗を許しませんので」



＿セヴィオ・・凄く焦ってた・・大丈夫かな。


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