魔界の華は夜に咲く
バーーーーン!!!
と突如、両扉が勢いよく開かれた。

「センジュ~~~!ただいま~~!!パパ帰ったよ~~~」


勢いよくセンジュを抱きしめたのは魔王(パパ)だ。


「ぅ・・パパ・・苦しい」


「あ、ごめんごめん。いや~娘が家にいるっていうだけで仕事に手がつかなくなるなんて初めての事でね!ちょっぱやで仕事終わらせて帰って来たよ」


多少力加減を覚えたのか、すんなり今日はセンジュから離れた魔王だ。
しかし娘に会えた嬉しさからかセンジュの手のひらをもみもみしている。

エレヴォスはすぐさま普段通りに跪いた。


「お帰りなさいませ。我が君」


「うん、エレヴォス。今日も城は平和だったかな」


「御意に」


魔王は満足そうに頷く。


「うんうん。お前達の誰かがいればセンジュも安心だろう」



_そ、それは違うよパパ・・。この人達も危険極まりないよ。特にフォルノスなんて。


などと心の中でしか言えないセンジュだ。


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