魔界の華は夜に咲く
「ところで、先ほどセヴィオが血相を変えて出ていったのを見たけど」


ドキン

と心臓を鳴らしたのはエレヴォスだ。『ここだけのはなし』に留めておきたかったのは魔王に知られる前に事を済ませたかったというセヴィオに対してのできる限りのフォローだった。


_事後報告と行きたかったところですが、見られていたのであれば仕方ないですね。


「は、火急に知らせにて」


「なんだい」


「セヴィオの領土で紛争が起きている模様です」


「ああ、そうなんだ」


エレヴォスの言葉に魔王のテンションはガンと下がった。

落ちるというよりは、静かな怒りだ。仕事モードに切り替わった様だ。


「そうか、まあ、セヴィオがなんとかするんだろう?」


「御意・・」


その静かな声にエレヴォス共々、センジュの背筋も凍る。
低く穏やかながらにして恐怖がにじみ出る声に。



_これが本当のパパ・・なのかもしれない。威圧が凄すぎる。潰されそうな声。



「四大魔将の椅子、新しくしておいた方がいいかな」


口調は優しいが意味は真逆だ。冗談には聞こえない。

セヴィオの次を見つけておけという合図だ。

それはセンジュにも理解出来た。


ドクン


ドクン


ドクン


_人を使い捨ての駒みたいに・・そんな、そんな考え方酷いよ。
たしかにセヴィオは嫌なやつだけど・・私をフォルノスから助けてくれたし。
もし酷い目に遭ってるなら可哀想だよ。
今頑張ってるんだよね?
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