魔界の華は夜に咲く
セヴィオの体は炎に包まれた。そのまま敵のど真ん中に突っ込もうとした時だった。


「セヴィオーーー!!」


ドクッ
と脈打ったのを感じた。
聞き覚えのある声だった。


「は?」


センジュの声の方へにセヴィオは振り返る。


「セヴィオっ負けないで!!死なないで!!ダメだよっ」

「センジュ・・なんであんた・・ここに?」



セヴィオに魔王の姿は見えなかった。
姿を隠して欲しいとセンジュが願ったからだ。


「魔界の事、私に色々教えてくれるんでしょ!!こんなところで死なないで!!」

「・・ち。ハハハ・・調子狂うなああぁ!」


更に体から炎が燃え盛り、その強大な力は相手に向かってとぐろを巻いた。


「ぐああああっ」


近くに落ちていた槍をもち、敵を一網打尽に刺し貫く。


「てめえら全員、許さねええええっ」


セヴィオを囲んでいた敵達にも炎は燃え広がり激しく燃え盛る。
同時にセヴィオも真っ赤に燃えているのを目の当たりにしてセンジュは驚愕した。


「やだあぁぁーーっ!!セヴィオーー!!」


センジュの眼には自殺行為に映るだろう。
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