魔界の華は夜に咲く
屋敷に着くとリビングに通された。
落ち着いた朱色を基調とした部屋に、漆黒の大理石でできたテーブルや椅子が並び、摘みたての花々が花瓶に生けてある。
廊下には大窓が並んでいる。清掃が行き届いているのだろう。ホコリひとつ見当たらない。清潔感のある空間が広がっている。


「すご・・豪邸だね。」

「こんなの小さいほうだ。他の3人はもっとすげえよ」

「へえ・・」


_四大魔将って本当に凄い位なんだな。魔王の次に偉いんだもんね。


侍女が救急箱を持ってきた。


「セヴィオ様、こちらをお持ちししました」

「ああそうだ、あんたがやってくれるんだろ?」

「え・・・下手だけど、いいの?」

「下手は嫌だけどな。折角だし、やれよ。魔王様のご命令だ」

「後でクレームは受け付けないよ」


ムッとした態度のセンジュを見て思わずセヴィオは笑いを堪える。


_表情がコロコロしてウケる。オモシロ。


「一時間後にはご夕食が出来上がりますので、また近くなりましたらお呼びいたします」

「ああ、わかった。っておいホントに下手そうだな手つきが」

「う、うるさいなぁ」


侍女は微笑みながら部屋を後にした。
2人のやりとりがほほえましく思えたのだろう。

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