魔界の華は夜に咲く
「本当に俺は嫌?」


ドクン


ドクン


ドクン


大きく脈打つ鼓動がセンジュの体を支配した。体が固まって動けない。


「他の3人よりも、年も近いし話やすいんじゃねー?俺なら」

「そ、そんなの・・」


_わかんないよ。急にそんなの決められないよ。


顔を背けようとしたセンジュの頬にセヴィオは両手を添えた。


「ちゃんと見て。俺を」

「セヴィオ・・」



_今夜はあの方がくれたチャンスなんだろ。だったら___。


真剣な表情でジッとセンジュを見つめた。

「怖い・・セヴィオ」

「あ、悪い・・また、本気になっちまった」

「え・・」


ぐっ
とセヴィオはセンジュの腰を引き寄せた。
強く抱きしめる。


「セヴィ・・」

「心配すんな。これ以上はしないから・・抱きしめるだけ」
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