魔界の華は夜に咲く
「はぁ・・はぁ、はぁ」

唇が離れると互いに息を切らし見つめ合ったが、センジュはすぐに視線を背けた。
センジュの瞳からは大粒の涙がボロボロと流れている。


「セヴィオ・・いや、嫌だよ。何もしないって・・言ったじゃ・・」


カタカタと震え出したセンジュの肩を見つけ、セヴィオは拳を握りしめた。


_理性が持たない・・他の女にはこうはならない。こいつ・・


「あんた、相当ヤバい」


_心の奥から何かがこみ上げてきて、こいつを欲してる。泣いてる姿すらやっぱ・・あざとい。



ぎゅううううっ
自分を抑え込む様にセンジュを抱きしめた。


「悪い。こんなんじゃ・・あんたを大切に出来る気がしねぇ」


「セヴィ・・」



セヴィオは立ち上がり、その場から立ち去った。
センジュを1人残して。
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