魔界の華は夜に咲く
センジュはピンと閃いた。

「あ、あの・・聞いてもいいですか?」


「え?あ、はい?どうされました?」


侍女は物静かそうな顔をしている。


「ええと・・セヴィオには・・その、彼女・・あ、恋人とかっているんでしょうか?」


「いいえ、いらっしゃいません」


_え!?居ないの!?じゃあさっき聞いた会話は一体・・。



「特定のお付き合いはされておりませんが・・セヴィオ様は四大魔将ですし、憧れる者は多いです・・それで」


「それで?」

「あ、いえ」

侍女は言いにくそうに口に手を当てる。

侍女は戸惑っていた。

こんな事を口に出して、手打ちにならないかと不安だった様だ。

それを悟ったセンジュ。すぐに安心させた。



「あ、心配しないで!誰にも絶対に言わないから!もちろんセヴィオにもパパにも!
私も気にしませんから」


侍女は辺りを見回し、センジュに耳打ちした。


ごにょごにょ・・。



「あ・・あーーー。なるほどね。そういう感じですか」


と、大人な対応をしたつもりだったが手は震えてしまった。

お湯が波打っている。

心臓がどくどくしている。


「あの・・姫様はセヴィオ様の事をどうお考えですか?」


と逆に問いかけられて固まってしまった。


「えと・・わかんない。会ったばかりだし!なんとも言えないな!あははは」


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