魔界の華は夜に咲く

「あんたってさ、素直なんだろうな」

「へ？」

「思った事がそのまま顔に出るなんて」

「そ、そう？」

「ああ、俺の知ってる女はな、どうでもいい事すら隠し通したりするもんだ。本音は絶対に出さないし、いつも作り笑顔」



＿女って、侍女さん達の事かな？



「俺が四大魔将だからってのもあるかもしんねぇけど、相手が次にどう出るかを考えながら話してるから感情もねえしな」


「そう・・なんだ」


＿体の関係はあるのにね。


「で、でも・・セヴィオの事が好きって子もいるでしょ？」


「あ？めんどくせえ。俺の中身なんて知りもしねえくせに好きとか、嘘っぽいだろそんな感情」


「それをセヴィオが言うの？」


センジュは思わず言ってしまった口を手で押さえたが、目は逸らせなかった。

セヴィオの顔が一瞬放心したように見えたからだ。


＿まずい。喧嘩を吹っ掛けるつもりなんてなかったのに。



「・・・まあ、そうだな」


とセヴィオはぼそりと呟いた。