魔界の華は夜に咲く
「今日痛いほどわかった」


「え・・」


「俺もまだまだクソガキだった。こんなんじゃ他の3人と同じ位置にも着いてないと思ったよ」


急に暗く落ち込んだ様子のセヴィオだ。

どうしたらいいかわからずにセンジュは聞き入った。


「王女のあんたを手に入れれば地位も安泰だ。きっと皆、俺に必死に取り入るだろうよ・・他の女どもみたいに」


「セヴィオ・・」



_ミイラ取りがミイラになる。きっとそうなる。俺がまだガキだからな。

だからエレヴォスはあんなに余裕の笑みを俺に向けたんだ。

きっとあいつらは・・センジュを無理やりにでも捕まえようとするだろう。


俺はどうする?

どうすればこいつを守れる?



セヴィオは汗ばむ手をじっと見つめたまま動かなくなった。


< 81 / 289 >

この作品をシェア

pagetop