魔界の華は夜に咲く
「セ、セヴィオ・・?」


ふと、見上げたセヴィオは笑った。乾いた笑いだ。



「なあ?俺の事・・やっぱ嫌いか?」


ドキン


「え・・っと・・・?」


すぐには答えられなかった。


「今日・・来てくれたのは・・ただの憐み、だよな」

「・・・」

「少しでも期待しちまった。俺を気にしてくれたんだってな」

「あ・・の」


緊張で口の中がカラカラで声が出せなかった。
セヴィオはそのか細いセンジュの声を聞き、立ち上がった。


「いや、いいや・・そうなんだったら・・もうなんも聞きたくないし」



ぼそりとそう呟いてセヴィオは部屋を出ていった。



_セヴィオ・・辛そうな顔してた・・。
ごめん・・そんな顔させてごめんなさい。
中途半端に助けようなんて考えるからこうなったんだ。
心配が、人を傷つける事もあるんだ。知らなかった。
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