魔界の華は夜に咲く
朝食を終え、用意された服に着替えたセンジュはセヴィオの待つ門へと到着した。


「乗れ」

「え・・・」


ぽかん。とあっけに取られて口が空いた。
目の前には見たこともない朱色の巨大な鳥が用意されていた。
体に手綱が付いている。

「な、なんですかコレは」

驚くと思わず敬語になってしまうセンジュだ。

「俺のだ。羽毛がもふもふでいいだろ」

「ひゃっ」


抱えられそのまま鳥の背中に飛び乗った。

鳥の背中は柔らかくふわふわ。羽毛布団の様だった。


「うわ。気持ちいい・・」

「・・だろ?」


ドキン


まるで昨日の事がリセットされた様にセヴィオはふわりと笑顔を向けた。
それは太陽に照らされ、優しくセンジュを包んだ。


_セヴィオ・・きっと沢山気を使ってくれてる。
同い年くらいなのに、なにもかも先を行くんだな。
それに比べて私は・・。



ずっと引きずって悩んで寝不足だ。
なんて子供なんだろうと思った。
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