魔界の華は夜に咲く
「お楽しみ中、失礼いたします。アルヴァン到着いたしました」


部屋に響き渡る程圧のある声が聞こえ、振り返るとアルヴァンが魔王の背後に跪いていた。


「うん、ご苦労」


「本日は姫君の護衛を仰せつかりました。どうぞよろしくお願いいたします」


「あ・・はい。よろしくお願いします」


_凄いかしこまり方。ちゃんと見ると真面目そうな人だな。



しかしもやもやと脳裏に浮かぶのは初めての晩餐会の夜だ。

センジュの唇をいち早く奪ったのはアルヴァンだったからだ。


_あの時はお酒が入ってたから酔ってたのかもしれない。うん、そういう事にしておこう。
警戒だけは怠らずに行こう。


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