魔界の華は夜に咲く
特に注文もしていないのに飲み物が通された。


「どうぞ」


「あ、頂きます」


カシスジュースだった。


「美味しい」


「うん、それは良かった」


アルヴァンはブラックコーヒーの様だ。

挽きたての香ばしい香りが漂う。


「昨日はセヴィオの屋敷に泊まったんだってな」


「ぶっ」


唐突に言われジュースを吹き出しそうになった。


「は、はい・・」


「俺が知っていて意外な顔してるけど、四大魔将は全員お前の事は共有する事にしている」


「は、はあ・・そうなんですか」


「・・で?セヴィオはどうだった?」


「どうって言われても・・・」


「上手かったか?」


「ぐふっ・・何がですか」


また吹き出しそうになった。


_突然何を言い出すの!?



「何って・・セッ_」


「昼間から何言ってるんですか!!」


「流石に気になってしまってな」


「ええっ!?」


アルヴァンの人差し指がセンジュの唇を突いた。



「一番初めにキスしたのは俺だから、な」


ドキン



一番避けたい話題に直行した。



< 94 / 289 >

この作品をシェア

pagetop