翔んでアルミナリア
そして歩みを進めながら、常に探らなければならない。
ザンテ族のコロニーを、水場を、そしてリラン一行の存在を。

入境する前に危険性を説かれたおかげで、わたしはバルバンダを不毛の砂漠のようにイメージしていたけれど、それはすぐに払拭された。

そこには壮大な景観が広がっていた。秘境という表現がふさわしい地だ。
赤銅色(しゃくどういろ)の大地に、年月の侵食によって形成された孤立丘(ビュート)卓状台地(メサ)が、切り立った肌を見せている。

太古の記憶を抱くむき出しの自然が、そのままそこにあるのだ。
探検家の心を惹きつけてやまない理由が、理屈でなく分かった。

夕陽が沈み、乾いた地を鮮やかに染めあげ、孤立丘が影絵のようにくっきりとしたシルエットをみせる光景はなんともドラマチックで、馬に揺られながら見入ってしまうこともしばしばだった。

疾走する馬に必死でしがみついていた今までの道程を思うと、うっかりハイキング気分になりそうだ。
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