翔んでアルミナリア
待つ時間はとかく長く感じるもので、太陽はじりじりと西に傾き、影はそれにつれて角度と長さを変えてゆく。
どこへ伸びる、なにを示す———?
前方には巨大な岩山が連なっている。そこが宝を抱く場所なのか。
いつしか全員が立ち上がり、息をつめて影の行く末を注視している。
鮮やかな夕陽が、赤銅色の大地をさらに燃えるように染め、影の黒とのコントラストが濃くなってゆく。
太陽が地平線にかかり、水平上にいるかのような錯覚をおぼえる。
伸びきったひとつ指の岩の先端の影が、岩山と岩山の間の谷のようになった場所をぴたりと指した。
「あの道です。間違いありません」
ここから先は時間との戦いになると、エレオノア姫は口早に告げた。
全員が慌てて馬に飛び乗る。思えばわたしの乗馬術は、この旅を通して飛躍的に上達した。
窮すれば通ずというやつである。
目視では近くにあるように感じたが、実際に馬を走らせると、何百メートルも距離があることに驚く。
それだけの距離を影が伸びているのだ。バルバンダの広大さを改めて体感する。
どこへ伸びる、なにを示す———?
前方には巨大な岩山が連なっている。そこが宝を抱く場所なのか。
いつしか全員が立ち上がり、息をつめて影の行く末を注視している。
鮮やかな夕陽が、赤銅色の大地をさらに燃えるように染め、影の黒とのコントラストが濃くなってゆく。
太陽が地平線にかかり、水平上にいるかのような錯覚をおぼえる。
伸びきったひとつ指の岩の先端の影が、岩山と岩山の間の谷のようになった場所をぴたりと指した。
「あの道です。間違いありません」
ここから先は時間との戦いになると、エレオノア姫は口早に告げた。
全員が慌てて馬に飛び乗る。思えばわたしの乗馬術は、この旅を通して飛躍的に上達した。
窮すれば通ずというやつである。
目視では近くにあるように感じたが、実際に馬を走らせると、何百メートルも距離があることに驚く。
それだけの距離を影が伸びているのだ。バルバンダの広大さを改めて体感する。