翔んでアルミナリア
石垣の角を曲がったところで、目に入った光景に足が止まった。
大きく張り出した木の枝が緑陰をつくり、その下にこれも白い石造りのベンチがあった。
そして、そこに腰を下ろしている一人の…女性? 外国人?
色素の薄い長い髪が、腰を下ろしたその人の膝やベンチにやわらかく広がっている。
ワンピース、いやドレスというべき裾の長い衣服を身につけている。一瞬性別が分からなかったのは、その人がうつむいて顔を手でおおっていたせいだった。
泣いているの?
こちらの気配に気づいたのか、手を離して顔を上げると、こちらへ驚いたような視線を向ける。
こんな状況だというのに、思わず見とれてしまった。息を呑むような、ただただ美しい女性。
非現実的な状況も相まって、わたしは一瞬天使か妖精に出会ったような錯覚に陥った。
淡い色の瞳からこぼれ落ちている涙さえ水晶のようにきらめいて、美貌に憂いという彩りを添えている。
美人はどんな時も絵になるなぁ、と能天気な感想を抱くと同時に、なにがこの美しいひとを泣かせているのかと庇護欲のような気持ちさえ覚えてしまう。
大きく張り出した木の枝が緑陰をつくり、その下にこれも白い石造りのベンチがあった。
そして、そこに腰を下ろしている一人の…女性? 外国人?
色素の薄い長い髪が、腰を下ろしたその人の膝やベンチにやわらかく広がっている。
ワンピース、いやドレスというべき裾の長い衣服を身につけている。一瞬性別が分からなかったのは、その人がうつむいて顔を手でおおっていたせいだった。
泣いているの?
こちらの気配に気づいたのか、手を離して顔を上げると、こちらへ驚いたような視線を向ける。
こんな状況だというのに、思わず見とれてしまった。息を呑むような、ただただ美しい女性。
非現実的な状況も相まって、わたしは一瞬天使か妖精に出会ったような錯覚に陥った。
淡い色の瞳からこぼれ落ちている涙さえ水晶のようにきらめいて、美貌に憂いという彩りを添えている。
美人はどんな時も絵になるなぁ、と能天気な感想を抱くと同時に、なにがこの美しいひとを泣かせているのかと庇護欲のような気持ちさえ覚えてしまう。