翔んでアルミナリア
間の季、と不意に蓮くんが口にした。
「え?」と聞き返す。
「間の季なんだよな、俺たち二人とも。十四歳と十七歳だから」
「そう、だね」
この地域の伝承の一つで、たしかお母さんから聞いたことがある。十四歳から十七歳までの少年少女は、大人でも子どもでもない間の季にいるとされ霊力が高まるのだとか。
間の季の年齢にいるうちは人ではなく神の子「神子」と称され、祭りでも重要な役割は神子が担うことになっている。
三歳違いのわたしたちがそろって間の季にいる唯一の年だ。彼がわたしを祭りに誘ったこととなにか関係があるんだろうか。
わたしたちの町の夏祭りは通称櫓祭りと呼ばれている。
中央公園の広場に櫓が組まれ、あかあかと炎が燃え上がる。消防法が厳しくなった近年では希少な見ものであるものの、華やかな打ち上げ花火がないので、儀式性が濃く地味な印象がある。
子どもの頃は、浴衣を着せてもらえるのと出店が楽しみで、毎年来ていたけれど。
ここ数年は、友達と隣の市で催される花火大会に足を運ぶようになっていた。
「え?」と聞き返す。
「間の季なんだよな、俺たち二人とも。十四歳と十七歳だから」
「そう、だね」
この地域の伝承の一つで、たしかお母さんから聞いたことがある。十四歳から十七歳までの少年少女は、大人でも子どもでもない間の季にいるとされ霊力が高まるのだとか。
間の季の年齢にいるうちは人ではなく神の子「神子」と称され、祭りでも重要な役割は神子が担うことになっている。
三歳違いのわたしたちがそろって間の季にいる唯一の年だ。彼がわたしを祭りに誘ったこととなにか関係があるんだろうか。
わたしたちの町の夏祭りは通称櫓祭りと呼ばれている。
中央公園の広場に櫓が組まれ、あかあかと炎が燃え上がる。消防法が厳しくなった近年では希少な見ものであるものの、華やかな打ち上げ花火がないので、儀式性が濃く地味な印象がある。
子どもの頃は、浴衣を着せてもらえるのと出店が楽しみで、毎年来ていたけれど。
ここ数年は、友達と隣の市で催される花火大会に足を運ぶようになっていた。